2011年11月8日火曜日

平成12年・二次試験-機械・制御【問3】


図の単相混合ブリッジ回路において、交流電源電圧を、バルブデバイスの制御角をαとして、次の問に答えよ。ただし、負荷のインダクタンスLは非常に大きく直流電流idは一定値Idに保たれている。また、回路には損失がなく、転流重なり現象は無視できるものとする。
(1)横軸に角度(ωt)をとり、交流電源電圧vの1周期分の波形を描き、これを基準として交流電流iの波形を重ねて描け。
(2)直流出力電圧の平均値Vdを制御角αの関数として表せ。
(3)交流電流iの実効値Iを求めよ。
(4)電源から整流回路に供給される有効電力Pを求めよ。
(5)交流側の総合力率cosφを求めよ。

図略



【解答】
準備中

平成19年・二次試験-電力・管理【問6】


次の表及び文章は、ある一般電気事業者の電力系統全体にわたる停電事故(全停事故)が発生した場合の復旧手順と留意事項について、その概要を記述したものである。

電力系統全体にわたる停電事故の復旧
復旧ステップ手順留意事項
初期電源の確保一般的には,健全な隣接系統からの受電により順次再送電して復旧していくが,これが不可能な場合には,通常,短絡比が大きい大容量の水力発電所から試送電により初期電源を確保する。フェランチ効果による電圧上昇や発電機の自己励磁が発生しないようにする必要がある。
基幹送電線の復旧基幹系統の線路の全遮断器を開放した後,1区間又は一定区間ごとに充電することにより,基幹送電線の復旧を行う。線路充電容量による電圧上昇に注意する必要があり,分路リアクトル等の投入量を調整して適性電圧に保ちつつ充電を行う。
負荷への供給各発電所の起動,立上げを図った後,給電指令に基づき,負荷への送電を行う。系統融通量と自社供給力の増加に応じて負荷系統に順次送電する必要がある。

なお、全停事故の場合においても火力発電所の中には、系統からの解列により送電不能となった場合でも、所内負荷をもって所内単独運転を行うことにより、系統の復旧時に系統並列、系統連系し、電力供給を数時間でできる機能のあるものもある。






A:系統全停事故時の初期電源確保手順

健全な隣接系統からの受電により,自系統内の停止した発電所の起動電源を確保することが一般的であるが,他系統からの受電が不可能な場合には,予め定めた発電所による試送電を行う。



B:系統を順次復旧する際の留意事項

線路充電容量による電圧上昇に注意する必要があり,分路リアクトルなどを使用して適正電圧を保ちつつ充電を行う。



C:負荷への送電を行う際の留意事項

供給力の増加に応じた負荷への送電を行い,周波数の維持に努める。



D:単独運転



E:並列,連系

平成18年・二次試験-電力・管理【問2】


主要変電所の直列機器(主要変圧器,遮断器など),電線・電力ケーブルなどの選定時の電流協調に関して,留意すべき次の事項について簡潔に述べよ。
(1)定常時(過負荷時を含む)の電流協調
(2)事故時(系統の短絡事故時や地絡事故時)の電流協調



【解答】
(1) 定常時の電流協調
定常運転中に連続的に流れる電流の許容値は,機器では定格電流,電線・電力ケーブルでは連続許容電流で表される。
過負荷時の直列機器の電流容量は,事前の通過電流が定格電流以下であれば,短時間の過負荷が可能である。この際注意すべきことは,接続する機器や電線・電力ケーブルなど種類によって温度上昇の時定数が異なることで,主要変圧器(油入)の様に時定数の比較的大きいものと断路器や電線のように時定数の比較的小さいものについて,個々に想定した過負荷時間について適切な電流協調を図ることが必要である。
特に,主要変圧器や遮断器などの主要機器の過負荷時の耐量が損なわれないように,直列に接続される機器や電線・電力ケーブルの定格や連続許容電流を選定する必要がある。

(2) 事故時の電流協調
系統の短絡や地絡事故時に流れる直列機器や電線・電力ケーブルにおける故障電流の許容値は,機器では定格短時間電流(変圧器では,短時間電流強度),また,電線・電力ケーブルでは,瞬時許容電流で表されている。
これらの電流を決める要因も事故発生から事故除去までの通電時間が1 ~ 2秒ときわめて短時間であることから,定常時の場合よりかなり高めに選定される。
特に,直接接地系統では,地絡や短絡故障時には,大きな故障電流が流れるため,主要変圧器巻線や三相GIS(SF6 ガス絶縁開閉装置)などへの大きな電磁機械力が発生し,故障除去が遅れた場合には,過熱損傷のおそれがある。
このため,極力,保護・制御装置の信頼度向上を図り,確実かつ早期の故障箇所の除去により,事故の局限化を図る必要がある。
その他,地絡や短絡故障時には大きな大地帰路電流が流れ,通信線や低圧制御回路などに,過電圧を誘起したり,接地電位の上昇を招いたりするおそれがあるので注意を要する。

2011年10月31日月曜日

平成12年・二次試験-電力・管理【問5】


電力系統を連系するメリット及びこれに伴う短絡容量の増大に対する抑制対策について述べよ。                  



【解答】
電力系統を連系するメリット
①安定度の向上
 複数の電力系統を連携することにより供給力が増大し、安定度が向上する。
②設備の経済運用
 供給力の増加により、各々の系統の供給予備力を減少することができ、設備の経済運用を図ることが可能となる。
③供給信頼度の向上
④常時供給力の増加
 複数の電力系統において河川流量に不等性があるため、常時供給力の増加を図ることができる。
⑤経済的な電源開発
 発電設備の大容量化が図れ、経済的な電源開発が可能となる。

短絡容量の増大に対する抑制対策
①発電機、変圧器等のインピーダンスを増大させることにより短絡電流を減少させる。
②特定の線路が過負荷になることによりその周辺の線路も連鎖的に過負荷となることを予防するために、送電電圧に上位電圧階級を採用し、送電系統を分割する。
③直流連系により事故時の無効電力潮流を遮断し、短絡電流の抑制を図る。

平成13年・二次試験-機械・制御【問3】


 図1は交流50[Hz]系統と60[Hz]系統とを連系する他励式周波数変換装置の主回路構成を示す。Conv1及びConv2は逆阻止三端子サイリスタを用いた三相ブリッジ結線の交直変換装置、TR1及びTR2は変換器用変圧器、DCLは直流リアクトル、SC1及びSC2は電力用コンデンサを表す。
両変換装置の交流側線間電圧Vr(実効値)がいずれも2000[V]であるとして次の問に答えよ。
ただし、サイリスタ転流時の重なり角、変換装置及び直流リアクトル内の損失は無視できるものとする。

図1

(1)図2の波形を参照し、三相交流電圧をとして直流平均電圧Vdを求めよ。ただし、制御遅れ角α[rad]は0≦α≦π/3の範囲にあるものとする。
図2略
(2)逆変換動作時の制御進み角βの制限値をπ/6[rad]とし、直流電流Idが1000[A]の場合、系統間で授受できる最大電力Pmax[kW]を求めよ。
(3)50[Hz]系統から60[Hz]系統に(2)で求めたPmax[kW]を送る場合について、Conv1の交流入力側の所要無効電力Q1[kvar]を求めよ。ただし、入力側交流電流は通流角2π/3[rad]の方形波であり、その基本波成分の実効値Ir1[A]とする。
(4)50[Hz]系統から60[Hz]系統に(2)で求めたPmax[kW]を送る場合に、50[Hz]側受電点の力率が1となるようにSC1の容量[kvar]を設定した後、その容量を固定したまま授受する電力を1500[kW]に変更した場合、受電点での力率を1に保つために必要なConv1の制御遅れ角α1[rad]と直流電流Id[A]を求めよ。
なお、計算で三角関数が必要な場合は次表を利用してもよい(中間値は比例計算せよ)。

θ[°]40414243444546
cosθ0.76600.75470.74310.73140.71930.70710.6947



【解答】

平成13年・二次試験-電力・管理【問5】


次の表は石炭火力発電所における環境対策のうち、大気汚染物質の低減技術についての概要を記述したものである。
表中のA、B及びCの記号を付した空欄に記入すべき事項を次の解答方法に従って答案用紙に記入しなさい。

解答方法
Aは大気汚染物質の名称を記入すること。
Bは硫黄酸化物の低減技術について、窒素酸化物の低減技術の記述例を参考に装置の設置とその他の対策に分けて記述すること。
Cは窒素酸化物の発生原因(発生過程)を二つ挙げ、簡潔に記述すること。

大気汚染物質発生原因大気汚染物質の低減技術
A燃料中の灰分から発生する。 ①防止設備の設置
電気集じん装置や機械式(遠心式)集じん装置を設置して排煙から汚染物質を除去する。
②燃焼方法の改善
自動燃焼制御システムを採用し、出力変動時の汚染物質の発生量を低減する。
硫黄酸化物
(SOx)
燃料中の硫黄分が燃焼により空気中の酸素と反応して発生する。 B

窒素酸化物
(NOx)

C
①排煙脱硝装置の設置
乾式法には、代表的な方法として排ガス中にアンモニアを注入して触媒によりNOxを窒素と酸素に分解する接触還元法があり、他に無触媒還元法、乾式活性炭法、電子線法などがある。
湿式法には、アルカリ吸収液にNOxを吸収して除去するアルカリ吸収法の他、酸化還元法、酸化吸収法などがあるが、全般的に開発段階のものが多い。
②その他の対策
燃焼温度の低減、高温域での燃焼ガスの滞留時間の短縮、酸素濃度の低減などの燃焼方法の改善がある。
具体的には二段燃焼法、排ガス混合燃焼法、低NOxバーナの採用などがある。



【解答】
A ばいじん

B 
①排煙脱硫装置の設置
ア 乾式法:活性炭・活性二酸化マンガンなどの固体吸着剤にSO2を吸着させ除去する。
イ 湿式法:アンモニア・石灰石などの溶液またはスラリー液(固体が混ぜ合わさった液体)にSO2を吸着させ除去する。
②硫黄分の少ない燃料の使用
硫黄分の含有が少ない低硫黄石炭を使用する。
③その他の対策
流動層燃料ボイラにおいて、流動媒体に脱硫剤を注入することで、炉内脱硫を行う。

C 燃料に含有する窒素が空気中に含有する酸素と反応して発生する。
空気中に含有する窒素が空気中に含有する酸素と反応して発生する。
また、燃焼温度が高いほど窒素酸化物は発生しやすい。


平成13年・二次試験-機械・制御【問2】


次の表は、同期電動機のトルクに関する記述である。表中の表現にならって、空欄(1)~(4)について説明せよ。
始動トルク定義トルクに関係ある項目の内容
始動トルク 電動機が始動期間中に発生するトルクである。
なお、同期電動機では、始動時に回転子磁極の受ける平均トルクは零である。
[制動巻線の効果]


(1)



引入れトルク(2) [負荷角]
・励磁を加える瞬間における負荷角が、同期引入れの難易に影響を与える。
・負荷角が小さいとき、同期引入れは容易である。
[はずみ車効果]
一般に、はずみ車効果が小さい方が同期引入れは容易である。これがある限度を超えると、同期引入れができないことが起こる。
脱出トルク(3) [負荷トルク]
(4)



【解答】
(1)
・制動巻線は、誘導電動機の回転子として動作することから始動用巻線として使用することが可能である。
・制動巻線の抵抗は大きければ始動トルクが増大する。
・制動巻線を深溝型や二重かご形として構成することで始動トルクが増大する。

(2)電動機の回転子が同期速度に近づいたとき、負荷の慣性モーメントに打ち勝って同期化できる最大負荷トルク。

(3)電動機が同期外れを起こす直前の大きさのトルク。

(4)負荷トルクが脱出トルクより大きくなると、同期電動機は停止する。

平成13年・二次試験-機械・制御【問1】


定格電圧600[V]、定格電流220[A]、定格出力120[kW]、定格回転速度1700[min-1]の直流分巻電動機がある。電機子回路の全抵抗は0.140[Ω]、界磁回路の抵抗は200[Ω]、固定損は3[kW]である。
励磁損は負荷電流にかかわらず一定、漂遊負荷損は負荷電流の2乗で変化するものとして、次の値を求めよ。
ただし、電機子反作用は無視するものとする。

(1)定格負荷時の効率η[%]
(2)定格負荷時の漂遊負荷損Ps[kW]
(3)定格負荷時の速度変動率ε[%]
(4)負荷電流が定格の50[%]のときの効率η'[%]
(5)負荷トルクが定格の50[%]のときの回転速度n'[min-1]



【解答】
作成中

2011年10月28日金曜日

平成22年・二次試験-機械・制御【問3】


 ダイオードによる単相全波整流回路によって交流電圧から直流電圧を得るには次の三つの代表的な方法があり、それぞれの方法において交流電流波形は異なる。交流電圧はで交流電源のインピーダンス、重なり角などを無視し、回路が定常状態にあるものとして、次の問に答えよ。

(1)図1-1の回路において、平滑リアクトルのインダクタンスは十分に大きく、直流電流は一定とする。このとき、図1-2と同じ図が答案用紙に印刷されているので、交流電圧eの波形に対する交流電流iSの波形をふと線で明確に描け。
また、このときに抵抗負荷に印加される平均直流電圧Ed1をEを用いた式で示せ。
(2)図2-1の回路において、平滑コンデンサのキャパシタンスは、交流電源からの充電電流と負荷電流とによる直流電圧edの変動が図2-2に示す程度になる大きさとする。また、交流電源側に充電電流の過大なピーク値だけを抑える微小なインダクタンスLACを挿入している。このとき、図2-2と同じ図が答案用紙に印刷されているので、交流電圧e及び直流電圧edの波形に対する代表的な交流電流iSの波形をふと線で明確に描け。また、負荷抵抗がないときの平均直流電圧Ed2をEを用いた式で示し、直流電流が増加すると平均直流電圧は上昇するか低下するかを述べよ。
(3)図3-1の回路において、交流電圧の周波数に対して十分高い周波数でバルブデバイスQをオン、オフすることにより、直流電圧を目標値に制御しながら、同時に、交流電流の波形を力率1の正弦波電流基準に従って制御できることが知られている。このとき、図3-2と同じ図が答案用紙に印刷されているので、交流電圧eの波形に対する交流電流iSの波形の例を太線で明確に描け。
また、全波整流回路の直流出力電圧erecと抵抗負荷に供給される直流電圧edcとを比較して、この回路が正常に動作している時の両者の大小関係を述べよ。




【解答】
準備中

平成22年・二次試験-機械・制御【問1】


 200[V]、5.5[kW]、50[Hz]、6極の三相かご形誘導電動機の拘束試験の結果は次のとおりである。
 線間電圧VS=40[V]、線電流IS=22[A]、三相入力PS=620[W]
 この電動機をV/f制御のインバータで駆動する。始動の際、インバータの電圧及び周波数の調整機能を利用して、始動周波数を数ヘルツとすることによって始動電流を抑えることができる。
 励磁電流が無視でき、また、電気的過渡現象も無視できるものとして、次の問に答えよ。ただし、問及び回答で用いる記号を以下に示す。
 fN:定格周波数[Hz]、VN:定格電圧(線間電圧)[V]、
 r1:一次抵抗[Ω]、x1:一次漏れリアクタンス[Ω]、
 r2:二次抵抗[Ω]、x2:二次漏れリアクタンス[Ω]、
 ここで、r2、x2はいずれも一次換算値である。また、x1、x2は定格周波数におけるリアクタンスであり、電動機の巻線抵抗及び漏れインダクタンスは電圧及び周波数の変化に対して一定を保つものとする。

(1)r1+r2[Ω]及びx1+x2[Ω]はいくらか。
(2)始動時のインバータの出力周波数をfL[Hz]とするとき、始動トルクを全電圧始動(定格周波数)で得られるトルクと等しいトルクで始動させるためのインバータの出力電圧VL(線間電圧)[V]をfLと上記の記号を用いた式で表せ。
(3)上記(2)において、始動電流が22[A]となるfL[Hz]及びVL[V]はいくらか。



【解答】
準備中