2011年10月31日月曜日

平成13年・二次試験-電力・管理【問5】


次の表は石炭火力発電所における環境対策のうち、大気汚染物質の低減技術についての概要を記述したものである。
表中のA、B及びCの記号を付した空欄に記入すべき事項を次の解答方法に従って答案用紙に記入しなさい。

解答方法
Aは大気汚染物質の名称を記入すること。
Bは硫黄酸化物の低減技術について、窒素酸化物の低減技術の記述例を参考に装置の設置とその他の対策に分けて記述すること。
Cは窒素酸化物の発生原因(発生過程)を二つ挙げ、簡潔に記述すること。

大気汚染物質発生原因大気汚染物質の低減技術
A燃料中の灰分から発生する。 ①防止設備の設置
電気集じん装置や機械式(遠心式)集じん装置を設置して排煙から汚染物質を除去する。
②燃焼方法の改善
自動燃焼制御システムを採用し、出力変動時の汚染物質の発生量を低減する。
硫黄酸化物
(SOx)
燃料中の硫黄分が燃焼により空気中の酸素と反応して発生する。 B

窒素酸化物
(NOx)

C
①排煙脱硝装置の設置
乾式法には、代表的な方法として排ガス中にアンモニアを注入して触媒によりNOxを窒素と酸素に分解する接触還元法があり、他に無触媒還元法、乾式活性炭法、電子線法などがある。
湿式法には、アルカリ吸収液にNOxを吸収して除去するアルカリ吸収法の他、酸化還元法、酸化吸収法などがあるが、全般的に開発段階のものが多い。
②その他の対策
燃焼温度の低減、高温域での燃焼ガスの滞留時間の短縮、酸素濃度の低減などの燃焼方法の改善がある。
具体的には二段燃焼法、排ガス混合燃焼法、低NOxバーナの採用などがある。



【解答】
A ばいじん

B 
①排煙脱硫装置の設置
ア 乾式法:活性炭・活性二酸化マンガンなどの固体吸着剤にSO2を吸着させ除去する。
イ 湿式法:アンモニア・石灰石などの溶液またはスラリー液(固体が混ぜ合わさった液体)にSO2を吸着させ除去する。
②硫黄分の少ない燃料の使用
硫黄分の含有が少ない低硫黄石炭を使用する。
③その他の対策
流動層燃料ボイラにおいて、流動媒体に脱硫剤を注入することで、炉内脱硫を行う。

C 燃料に含有する窒素が空気中に含有する酸素と反応して発生する。
空気中に含有する窒素が空気中に含有する酸素と反応して発生する。
また、燃焼温度が高いほど窒素酸化物は発生しやすい。


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