2011年10月18日火曜日

平成17年・二次試験-電力・管理【問5】


 次の表は、使用電圧が170[kV]以上の発変電所で実施される使用前自主検査のうちの一部の測定・試験項目について、実施する上での注意事項の概要を記述したものである。表中のA、B、C、D、E、F及びGの記号を付した空欄に記入すべき語句又は文章を、次の解答方法に従って答案用紙に記入しなさい。

解答方法
A、B、E、F及びGは語句を記入すること。
C及びDは、実施する上での注意事項を他の測定・試験項目の記載にならって簡潔に記述すること。
測定・試験項目実施するうえでの注意事項
[ A ]法による[ B ]測定
①電圧回路に対する誘起電圧を低減するため、電流回路は電圧回路と90度以上の交差角をとること。また、電圧回路は他の送配電線路とも、できる限り平行にならないよう考慮する。
②電流回路の電源を、1線又は中性点で接地している場合は、必ず絶縁変圧器によって電流回路を電源回路から絶縁する。
③電圧測定には、内部抵抗の十分高い電圧計を使用する。
絶縁抵抗測定[ C ]
電力用変圧器の電路の絶縁耐力試験[ D ]
機械器具等(電力用変圧器を除く。)の電路の絶縁耐力試験上記Dの注意事項の他に次の項目にも注意する。
①被試験回路中に、地中ケーブル、コンデンサ等がある場合は、[ E ]が相当な値に達するので、試験用変圧器を使用する場合には、試験用変圧器の[ F ]に応じて被試験回路を適切に分割する。
②被試験回路を分割する場合は、試験前にその区分点(遮断器等)の開放状態を確認し、加圧範囲が計画どおりであることを確認する。
③発電機にあっては発電機の[ G ]の接地を、また、計器用変圧器にあっては加圧されない巻線の接地を試験前にそれぞれ確認する。
④水銀整流器以外の整流器で整流素子を複数個直列に接続している場合は、各整流素子の両極を短絡する。



【解答】
A:電圧降下
B:接地抵抗
E:充電電流(充電容量も可)
F:容量(設備容量も可)
G:サーチコイル

C 絶縁抵抗測定
① 1 000〔V〕以上の絶縁抵抗計を使用する。また,絶縁抵抗計の校正記録やトレーサビリティがあるものを使用する。
② 被測定機器の静電容量が大きくて1 分間では絶縁抵抗計の指針が静止しないときは,指針が静止したときの値をもって絶縁抵抗値とする。なお,測定後の回路は,必ず充電電荷を放電させる。
③ 電線又はケーブルなどの絶縁抵抗を測定する場合は,表面洩れ電流に基づく誤差を除くため,必要に応じて保護端子を使用する。
④ 絶縁抵抗値は温度,湿度,汚損度などにより著しく変化するものであるから,天候,温度,湿度を記録する。
⑤ 誘導が心配されるときは,メガリングフィルタを使用する。

D 電力用変圧器の電路の絶縁耐力試験
① 試験前に,その回路が絶縁されていることを絶縁抵抗計で確認し,また,試験後にも絶縁に異常がないか絶縁抵抗計で確認する。
② 試験電圧には,商用周波数のなるべく正弦波に近い交流電圧を用いる。
③ 電路の絶縁耐力試験は,温度,湿度,汚損度などにより著しく変化することから,天候,温度,湿度を記録する。
④ 試験電圧は,急激に上昇させずに徐々に規定電圧まで上昇させる。
⑤ 試験中に電源電圧が変動するおそれのある場合は,試験電圧確認用電圧計の指針に注意し,常に一定の試験電圧が加えられるように調整する。
⑥ 試験後,被試験回路(試験電圧発生回路を含む。)は必ず接地して充電電荷を放電させる。
⑦ 接地形計器変圧器や避雷器などは試験回路から切り離して行う。

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