2011年10月18日火曜日

平成15年・二次試験-機械・制御【問3】


 VVVF【可変電圧可変周波数)インバータ装置による、かご形誘導電動機の可変速駆動方式には、大別して次の三つがある。それぞれ方式の原理および特徴について説明せよ。
(1)V/f(電圧/周波数)一定制御
(2)滑り周波数制御
(3)ベクトル制御



【解答】
(1)V/f(電圧/周波数)一定制御
原理:V/f一定制御は、電動機のギャップ磁束を定格値に保つように電圧と周波数の比率を一定に制御する方式である。
特長:
①電源周波数を変化させて広範囲の可変速運転を行っても十分なトルクが得られる。
②常に小さな滑りで運転できるため運転効率が高い。
③比較的制御が容易であり複数台の電動機を開ループ制御する揃速運転に適している。

(2)滑り周波数制御
原理:滑り周波数制御は、電動機の回転速度を検出して速度フィードバックを行い、トルク指令に応じた滑り周波数となるようにインバータ周波数を制御するもので、実際には電流制御ループを合わせもつ場合が多い。
特長:
①滑り周波数と電流とを共に制御するので安定性がよく急激な加減速や負荷変動に耐えられる。
②速度フィードバックを行っているので回転速度の精度が優れている。
③閉ループ制御を行う必要があるので、単機運転に用いられる。

(3)ベクトル制御
原理:ベクトル制御は、電動機のギャップ磁束、または端子電圧及び一次電流から磁束発生成分電流とこれに直交するトルク発生成分電流に一次電流を分解し、両電流成分の制御を各々独立に行う方式である。
特長:
①制御システムが複雑になる。
②直流機の電機子電流制御と同等以上の高速応答、高精度なトルク制御が可能となる。

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