2009年12月12日土曜日

平成8年・二次試験-電力・管理【問3】


架空送電線路の故障点評定が、地中送電線路の場合に比べて、技術的に困難である理由を述べよ。


【解答】
ア 架空送電線路の故障点評定方式(フォルトロケータ)の種類
(1)サージ受信方式 故障時に発生するサージを利用して故障点評定を行う。
(2)パルス受信方式 送電線にパルスを印加し、故障点で反射して戻ってくるまでの時間を計測して故障点評定を行う。
(3)インピーダンス評定方式 故障時の電圧、電流から事故点までのインピーダンスを求めて故障点評定を行う。

イ 架空送電線路の故障点評定が、地中送電線路の場合に比べて困難な理由
a 地中送電線路の故障はそのほとんどが永久地絡であるのに対して、架空送電線路の場合は、遮断器がトリップして絶縁が回復すれば、相当の絶縁を持つようになるため、遮断器がトリップする前の故障継続中に評定しなければならない。
b 故障継続中に評定するので、 故障中のアーク電流や故障遮断時のサージなど妨害ノイズの影響を受けやすいため、評定信号の選定に配慮が必要となる。
c 外来ノイズの影響を受けやすい。
d 地中送電線路のほとんどは2端子であるが、架空送電線路は多くの分岐線を有するため、故障点からのサージや印加パルスの反射、透過現象が分岐点において生じるため複雑になる。

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