2011年10月18日火曜日

平成15年・二次試験-電力・管理【問1】


 ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせたコンバインドサイクル発電(複合サイクル発電)の次の方式について、システム構成の概要及びシステムの特徴をそれぞれ簡単に説明せよ。
(1)排熱回収方式
(2)排気再燃方式


【解答】
(1) 排熱回収方式
a.システム構成の概要
ガスタービンの高温排気を排熱回収ボイラ(RSG)に導入し、その熱回収により蒸気を発生して蒸気タービンを駆動する方式であり、ガスタービン系と蒸気タービン系の整合をとり、システムを最適化することにより高いプラント効率を可能とする方式である。
b.システムの特徴
① システムが簡単で、起動時間が短い。
② 組み合わせるガスタービンの出力比率が大きい。
③ 蒸気タービンの単独運転が不可能。
④ ガスタービンが高温化するほど、プラントの熱効率上昇割合が大きい。
  (発電端効率は50〔%〕(高位発熱量基準)程度)
⑤ 国内の新設ガス火力は、効率が高く経済性にも優れたこの方式が広く採用されている。
⑥ 既設プラント全体を建て替えるリプレースにも適している。


(2) 排気再燃方式
a.システム構成の概要
ガスタービン排気中には高温の酸素が残存しており、この排気を通常の汽力発電ボイラの燃焼空気として利用する方式。
ガスタービン排気は高温であり、通常の汽力ボイラで設置される空気予熱器が不要となる。代わりにボイラ排気ガスの熱を給水系に回収する給水加熱器を設置して、蒸気タービンからの蒸気抽気量を減らし、プラント効率を向上させる方式である。
b.システムの特徴
① 運転制御系が複雑。
② 蒸気タービンの出力比率が大きい。
③ 蒸気タービンの単独運転が可能。
  (100[%]容量の押込通風機(FDF)を設置した場合)
④ ボイラに使用する燃料は、ガスタービンと無関係に選定できる。
⑤ 熱効率は、ガスタービン排ガスを最大に利用する蒸気プラント容量とする場合に最高となる。
  (発電端効率は42~45[%](高位発熱量基準)程度)
⑥ 既設汽力のボイラを使用しその規模に合わせてガスタービンを選定して出力増加と高効率化(リパワリング)を図る場合に採用する。

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